BACCANO! 第13幕 不死者もそうでない者もひとしなみに人生を謳歌する

まで、イッキ観させていただきました…。
ああう、すげーよバッカーノ。ラストまで観終わったとき震えました。震えるほど面白いアニメに出会ったのは初めてか、あるいはかなり久しぶりかもしれません。

箇条書きで感想を書いてみよう。完全ネタバレですので注意!
・アニメスタッフの作戦勝ちですね。原作も元々素晴らしい作品ですが、別々の視点から見た群像劇であるという特長を最大限に生かして、視点も時系列もバラバラに再構成するというアイデアが素晴らしい。これだけバラバラにすると、原作ファン以外は楽しめないような気もしてきますが、絶妙な構成で、初体験の視聴者もぐいぐい引っ張っていく技量が見事としか言いようがありません。原作読んだときもかなり清清しかったですが、アニメは震えるほどの気持ちよさ。完敗でございます。参りました。

・好きになった登場人物は、レイルトレーサー(=ヴィーノ=クレア・スタンフィールド)、ラッド・ルッソ、ジャグジー・スプロット。

・レイルトレーサーは、序盤から早々に死んだあわれな脇役…と前半は思わせておいて、後からすさまじい活躍っぷりを魅せてくれるのが圧巻でした。殺人狂ラッドをたじろがせ、最後まで余裕綽々で退場して行った彼。最も視聴者の予想を裏切り、最も劇中で化けたのはなんと言っても彼でしょう。原作を読み通していないからわかりませんが、いつかラッドと再戦してほしいものです。
「俺は死なない。なぜなら世界は、この俺のものだからだ!」

・ラッドは殺人狂で、殺人に快楽を覚えるイカレた男ですが「死なないと安心してるやつを殺したい」という考え方にはどこか共感するものがあったり。不死者さえも殺してやるという強烈な自信、そしてルーアへの狂気じみた、でも深い愛情に強く惹かれました。ひろしとかヒューズとか、どこか抜けた役が多い藤原啓治さんの、別の引き出しも発見できた実にカッコイイキャラクターでした。
「殺すったら殺す。不死者だろうが殺す。死なないからって安心してるやつらに、世の中の厳しさを教えてやんよぉ!」

・ジャグジーは最初、なんでこんな人が不良グループのリーダーなのかよくわからなくて、途中まで多重人格で、裏には凶暴な人格が潜んでるのかも!とか勝手な予想をしていました。けど、終盤に行くにしたがって納得。最終回で明かされる彼の決意には、心を動かされました。
「泣きたくなるときは、きっと一番がんばらないといけないときなんだ。だからね、普段から泣いておくことにしたんだ。一番がんばらなきゃいけないときに、流す涙が枯れているように」

・もちろん、彼らははアニメを通して好きになったキャラ。一番好きなのはやっぱりアイザック&ミリア!まるで打ち合わせしたようにシンクロしたリアクションがたまらない。お馬鹿で陽気で純粋で。彼らを見てるだけで本当に幸せ。ニコ動のコメントで「最後まで観ると本当にこいつらジョーカーだよな」というのがありましたが、確かにそうですね。色々勘違いして、周りを振り回して、最後においしいところを持っていく。気づかずに狂言回し役を演じている彼らはまさしく道化師のような存在だなーと思いました。
・最終回の二人のチェスへの言葉は、こちらまで救われそうになりました。涙腺うるうるでした。
・そして最後まで彼らはやらかしてくれましたねー。70年以上ずっと気づいていなかったとは…。最高すぎるぜお前ら。

・サバ味噌様のアドバイスで、最終回からまた一話に戻ることでさらに充実感がアップ。あー、アイザックのセリフってマイザーのあれと被ってんだー!とか色々発見がありました。ニコ動でも、「1話は面白くないが14話は最高」というなかなか上手いことを言ってる人もおりました。確かに確かに!最初一話を見たときは、よくわからないところも多かったしね。

・それでもなお、いろいろまだ回収されていない伏線もあるようです。例えば、一話に断片的に挿入されているアイザックが耳を斬られるシーン。敵の後ろにはジャグジーやエニスもいるし…?どうやらこのシーンは原作で言うところの1933にあたるみたいですね。ということは二期放送決定してるのか!?ヒャッハア、楽しみだぜ!

文句なし、今年一番楽しませてくれたアニメでした。二期放送も楽しみにしておりますので、アニメスタッフの皆様よろしくお願いいたします。