『ようこそ、ロバの目の世界へ』 岩城裕明

ようこそ、ロバの目の世界へ。 (講談社BOX)

ようこそ、ロバの目の世界へ。 (講談社BOX)

僕がよくボーッとするのは、断じてエロい妄想をしているからではない。この目に映る“奴ら”へのリアクションを、必死でこらえているだけなのだ―。第6回流水大賞優秀賞受賞作。“ロバの目”を持つ少年・スバルが遭遇する、最高にハードな夏休み。


講談社BOX的、読書感想文課題図書!な感じ。人には見えないモノが見える小学生の、一夏の日々を描いた小説…と書くと本当に課題図書っぽいですが、結構なエグイ展開もあったりと、単なる優良な物語に収めまいとする気概を感じます。語り口も軽く小気味よく、血なまぐさい描写なんかもさらっと読めてしまうテンポの良さがありました。パンドラでも後味の悪い話をさらりと書いていたし、ちょっと今後が楽しみな新人さんです