『Story Seller』 伊坂幸太郎 近藤史恵 有川浩 佐藤友哉 本田孝好 道尾秀介 米澤穂信
- 作者: 新潮社ストーリーセラー編集部
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/01/28
- メディア: 文庫
- 購入: 12人 クリック: 132回
- この商品を含むブログ (159件) を見る
面白いお話、売ります。
あまり見たことのない顔ぶれが競演しているアンソロジーの文庫化。ムック時のときは、なんとなく手が出せなかったのですが、この度丸ごと文庫本になったそうなので、読んでみました。
全般の感想としては、総じて完成度の高い作品が揃ったアンソロジーになっていたと思います。どの短篇も、一定の水準を満たしたモノばかりで、外れがまったくない。どの作家も一度は名を聞いたことのある方ばかりなので、当然と言えば当然かも知れませんが、一つ一つの読み応えも確かな一冊になっていました。
首折り男の周辺 伊坂幸太郎
ミステリっぽいような、サスペンスっぽいような。いつも通りの伊坂小説。3人の視点から、互い違いに語られていく群像劇。最後のセリフもスマートでカッチョイイなー。
ストーリー・セラー 有川浩
モノカキ志望として、色々と心に沁みる物語でした。いつものようなベタ甘じゃないのがまた切ない…。ザックザクと身を切り刻まれた感じ。名作でした。
玉野五十鈴の誉れ 米澤穂信
百合的な展開を期待した自分はもう末期だなと思った。読みやすく、しっとりとした雰囲気。小市民シリーズもちゃんと読みたいんだけどなぁ…。
333のテッペン 佐藤友哉
ミステリ。なんだけど、いわゆる『日常の中の非日常』をネタにしまくっているのが面白かったです。やはりこの斜に構えた感じ、いいなぁ。
光の箱 道尾秀介
魅力的な青春モノであり、ミステリ的な要素もあり。どんでん返しも用意周到。読後感も爽快で素晴らしかったです。
ここじゃない場所 本田孝好
テーマが佐藤さんと逆ベクトルでド被りで、ちょっと笑ってしまいましたw 面白かったのですが、主人公がどうにも好きになれない…。根拠のない妄想を信じ切って、誤解がわかってもそれを謝罪もしないで!ちょっと本気で頭にきてしまった。