2008年、面白かった本を振り返ろうじゃないか。


と言うわけで、昨年同様振り返ってみます。


とらドラ!

とらドラ!〈9〉 (電撃文庫)

とらドラ!〈9〉 (電撃文庫)

このシリーズなしで2008年は語れまい。笑いと恋と甘みと苦みと、すべてを丁寧な語り口と飾りげのないストーリーに閉じこめた、圧倒的青春小説。おそらく完結(?)となる次巻にて、逃げ出した二人は何を選択するのでしょうか。ラノベ好きだけでなく、今の少年少女たちみんなに読んでもらいたい作品です。

文学少女シリーズ

このシリーズなしでも2008年は語れまい。既存の文学作品になぞらえるように描かれる、幾多の悲しい事件達。甘酸っぱい青春と、息もつかせぬミステリと、知るほどに黒くて深い人間というモノを、うまく織り交ぜ、一冊一冊にまとめあげています。ラノベの到達点として、語り継がれるであろう本作品、id:hobo_kingさんも言っておられたことではありますが、『読み返したくなくなるほど』の名作です。

AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

何かとネタにされがちな『邪気眼』な方達を主題にした、痛くて痛い、青春小説。『人類は衰退しました』とはまったく違う、田中ロミオさんの別次元の世界が炸裂している傑作です。誰もが身に覚えのあるこのイタタタタな感じ。ぜひとも読んで欲しいです。

ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート

死ぬと存在がなかったことにされるイケニエビトと、イケニエビトの記憶を喰うタマシイビト、ふたつの異形の存在を主題にした伝奇小説。この作品の魅力を伝えるのは本当に難しいのですが、いやしかし、何も言わない方が良いんじゃないかと思うくらいの美しい傑作です。2008年、一番の掘り出しモノでした。

バケモノシリーズ

傷物語 (講談社BOX)

傷物語 (講談社BOX)

偽物語(上) (講談社BOX)

偽物語(上) (講談社BOX)

アニメ化を7月に控え、最終巻の発売も控えた人気シリーズ。女の子をバケモノから救っていく伝奇小説…ですが、やっぱり見所は登場人物達の心配になるほどの愉快な掛け合い!小説だから出来る笑いが、200%発揮されている、純粋に楽しい作品です。初めて読む西尾維新としても超オススメ。難しいことは考えず、ありゃりゃぎさんの変態ロードを見守りましょう!

彩紋家事件

彩紋家事件 (2) 白と夜 (講談社文庫)

彩紋家事件 (2) 白と夜 (講談社文庫)

彩紋家事件 (3) 彩紋家の一族 (講談社文庫)

彩紋家事件 (3) 彩紋家の一族 (講談社文庫)

文庫化っつーことで再読だったのだけど、やはり入れとかないとこれは!奇術師の一族19人が毎月19日に殺されていくという、JDCシリーズのエピソード1。次々に起こる殺人と、解明されていく奇術の数々。そして最後に待ち受ける、頭の中が無になってしまうような真相。流水大説最高傑作の一つと言い切って遜色ない超作だと思います。宇山さんや奇術への思い入れを綴った、書き下ろしのあとがきも付いている実に買いな一冊。ノベルス版より読みやすくなっている上に、ストーリー上も頭に位置する話であるので、初心者の方にもオススメです。

ノンフィクシリーズ

くうそうノンフィク日和 (講談社BOX)

くうそうノンフィク日和 (講談社BOX)

りべんじゃー小戦争 ~まち封鎖 (講談社BOX)

りべんじゃー小戦争 ~まち封鎖 (講談社BOX)

世間でなんと言われようと、自分は大好きですこのシリーズ。雪が降るようにしんしんとした、静かな静かなファンタジー小説。『剣と魔法』の王道に飽きた方に、是非とも手にとって欲しい一風変わった作品です。2009年も不肖Gen9、応援してます小柳ハードボイルド!

あたし彼女


え?と思ったそこのあなた。読んでもないのにネタにしてませんか(笑)?単語と単語の羅列で綴られる、人の思考をそのまま写し取ったかのようなリズム感の良い文章。王道ながらも読んでいて心地の良い、可愛く変わっていく女の子の姿。賛否両論あることは否みませんが、個人的にはここに入れて遜色ない、純粋に面白い小説でした。こんなことができるのが、小説とは違うケータイ小説の醍醐味なのかも。第二作も期待しています!