「※この辺は別に読まなくてもいいです」

流水さんがインタビューでよくおっしゃられる言葉で、
「作家は一番下の立場ですよ。どんなに心血を注いで作品を書いても、面白くないと斬り捨てられればそれでお終いですから」
といった感じのモノがあるのですが、自分はそうは思いません。
いや、その言葉は間違っているわけではなくて、むしろ残酷なほど真理だと思うので「そう思ってはいけない」という感情が正しいでしょうか。
自分は常々、読者は最も弱い立場だと自負しなければならない、と思っています。
謙遜、とも言うでしょうか。
要するに、流水さんの主張とは真逆で、数ある才能ある作家の方から、面白い作品を供給してもらうことに感謝の姿勢で臨まなければならない、ということ。
だって、我々には、彼らのように、自分の世界を他人に見せて楽しませるなんていう、器用な真似はできないんですから。
数ある本の中から、これはというモノを手にとって、面白い面白くないという判断を下すくらいしかできません。
そんなちっぽけな行動しかできない読者が、良かれ悪かれ、自分の世界でもって外の世界に影響を与えている作家の方々より、偉い立場なんて言って良い物でしょうか。
自分はそうは思えません。
自分の考えた諸々を文字にして吐き出して、さながら身を削るように作品を作っている作家たちに、ただ供給を受けているだけの読者が叶うはずがない。
だから自分は、そんな作品たちを、ハナっから罵倒することはできません。
してはいけない、と思ってしまいます。
もちろん個人的に面白くなかったときは、辛辣なことを書いてしまうこともあるけれど、それでもどこかにフォローをいれようとします。自分でも、偽善だなーとか思うこともありますが、何というか、自分は本を読むという、その行動自体が幸せなことだと思ってるんです。文芸の才能に恵まれたこの日本に生まれたこと、文字を読み解く能力を持っていること、金銭的余裕があること、数々の偶然の巡り合わせによって、読書という贅沢な趣味を享受できているこの状況に常々感謝しています。
それもあって自分は、徹底的にけなした感想を書きません。書けません。


自分が思ったことは正直に。
同時に、独りよがりな批評にはならないよう。
受け取る人のことと、あくまで「感想」であるということを念頭に置きつつ。


そんな感じでここの読書感想は書かれてるんだよーという、ネタがないので眠い目こすりこすりで書いた、どうでもいい文章でした。


ここまで書いてきて、実際の所は罵倒コメントを書かれるのが怖いから、どっちつかずな現状を維持してるだけじゃないのかとも思ったりしましたが。
偽善乙。