『ヴぁんぷ!』 成田良悟

ヴぁんぷ! (電撃文庫)

ヴぁんぷ! (電撃文庫)

【親愛なる日本の紳士淑女諸君!月並な問い事で申し訳ないが――諸君は吸血鬼の存在を信じるかね?】

ドイツ領、グローワース島。観光地として知られるこの小さな島に住むゲルハルト・フォン・バルシュタインは、子爵であり紳士であり……また吸血鬼でもあった。彼は双子の子供たち、そして多くの使い魔たちと共に、島にそびえる古城の中で暮らしている。まぁ、島の中心人物・ヴォッドに憎まれたり、たまに吸血鬼駆除集団その他もろもろの存在に狙われたりで、必ずしも平穏というわけではなかったけれど。
そんな風に、一風変わった吸血鬼であるゲルハルト。だが、彼に関することで特筆するべきことはそんなことではなかった。彼が最も異彩を放っている『性質』、それは―。
『この世でいちばん吸血鬼らしくない吸血鬼の物語』、堂々の開幕!


成田他作品に挑むぜキャンペーン第2弾。ドロドロ血みどろシリーズでございます。
とにかく、『この世でいちばん吸血鬼らしくない吸血鬼』ゲルハルト・フォン・バルシュタインがイイ!性格は本当にヴァンパイアらしい紳士なのに、外見がアレていうギャップ。文字で文章を表す小説の形式に一種挑戦しているようなキャラクタで、本当に楽しいです。表紙折り返しの部分とかも芸が細かいですねーw
ストーリー自体は、例えるならジャンプに掲載された読みきりの伝奇漫画、という印象を持ちました。一作目としては割りと綺麗にまとまっていて最後まで楽しく読めました。ちょっと色々詰め込みすぎて、書ききれていないんじゃないかな、とも少し思いましたけど…。
いや、楽しかった楽しかった。次も楽しみです。
あと、吸血鬼の存在定義が『バッカーノ!』の不死者やらホムンクルスやらと関わりがありそうな匂いがプンプンしてて、そっちも楽しみ。

追記。

書き終わって「そういえば、お父様あんなんだから表紙に出れなくて残念だなー」と思って表紙を眺めていたら……ああ、いたよお父様!めちゃめちゃいたよ!…ちゃっかりものだなぁ、お父様。