『キノの旅11』 時雨沢恵一

キノの旅〈11〉the Beautiful World (電撃文庫)

キノの旅〈11〉the Beautiful World (電撃文庫)

もはや一年に一回の恒例となってく気もする「キノの旅」。今回もどれも良作で面白かった。
一番はやはり、立ち読みのときも言及した「アジン(略)の国」。

キノの師匠が若かりし頃の話。
師匠と相棒の男の人は1004人の人間が暮らす小さな国へやってきました。
国民の人はとても親切で二人を心から歓迎しました。のどかで平和な普通の国。しかし、ひとつだけ変わったところがありました。その国の名前は言い終わるのに数分はかかるであろうほど、めったらやたらに長い名前だったのです――。

Gen9は勘が鈍いので、国の名前の真意に気づくまで少しかかったのですが、真実がわかったとたん、「うおお」と感嘆しました。
こんな風に、最低限の言葉のみを使い、読者に結末をゆだねて感動させる物語を書きたいものです。
また来年が楽しみだ。