『難民探偵』 西尾維新

難民探偵 (100周年書き下ろし)

難民探偵 (100周年書き下ろし)

就職浪人の窓居証子は、叔父で人気作家の窓居京樹の家へ、やむなく半年の期限でお手伝いとして住み込むことに。
そんなある日、根深陽義なる怪しげな人物の身元引受人をという警察からの連絡が、京樹の携帯に入る!
その一本の電話が、すべての始まりだった!
就職浪人×超人気作家×難民探偵=?? 西尾維新の新境地、遂に開幕!

読み終わってみると確かに「スイリ」小説。西尾維新に極限にリミッターをつけるとこうなる、といった印象。他作品と比べて登場人物がそんなにキャラ立ってなくて地味めな感じなんですが、その地味な描写にも西尾節が垣間見えて色々面白かったです。普通の人も書けるじゃないですか西尾さん!西尾さんが30代から書いていきたい小説は、こういう毛色のモノになるのかな。「化物語」といった一連の諸作品のノリや、推理小説としての意外性を期待している人にはオススメできない・・・かも。それにしても「ぶきそぼきみぼく」と言い、近年の西尾さんの本格ミステリに対するスタンスは、やっぱこんな感じなのかな〜。