モーニング23号

ンダスゲマイネ。

密かにずっと読んでる漫画。太宰治生誕100周年記念作品ってことで、彼の生前の姿を描いているのですが、これが面白いんですよー。
太宰治と言えば、幾多の女性と自殺をはかり、自分の人生を総括するかのような長編『人間失格』を上梓し、若くして命を絶ったことで有名。
それ故に、彼を思い浮かべるときは、常にイケナイ方向に足を突っ込んだ孤高の文学者のようにイメージしがち。
ところが、この作品の太宰治は、なんか妙に可愛いのです。
もちろん、彼の性質はそのままです。後ろ向きで、すぐ女性と関係持って、人間不信で…。しかし、そんな彼のひとつひとつのパーツが、この作品ではダメダメなネクラ青年、という姿で具現化されているんです。
どこからどう見てもダメ人間なんだけど、なんかほうっておけなくて、つい世話を焼いてしまう。
太宰自身も、自分のその性質に従ってひたすらに暴走を続けてしまうのですが、その姿もなんだか哀愁を帯びていて、おもしろ悲しい。
世間一般のそれとは異なる、妙に可愛い太宰治の青春譚を綴った、不思議な読後感の快作なのです。
確か連載は、もう五回目を数えてたかな。単行本にまとまる日が待ち遠しい。