『四方世界の王2 あるいは50を占める長子』 定金伸治

四方世界の王2 あるいは50(ハンシュ)を占める長子 (講談社BOX)

四方世界の王2 あるいは50(ハンシュ)を占める長子 (講談社BOX)

「ぼくはきみ自体であるものがほしくて、その逆にきみ自体でないものはいらないと、たぶん思っている」

シャズの策略により、静かに終焉を遂げたバービルムの内乱。
だがそれは、四方世界を巻き込む戦乱のほんの前哨戦にしか過ぎなかった。
均衡を崩すべく、攻め始める北の傭兵王。忍び寄る叛乱の影に、行動を開始するバービルムの若き王子。立ちはだかる南の巨人と、動き出す東の幼き皇太子。計り知れない不穏が渦巻く中、少年と少女は、今、戻れない道行きへ――。


大河ノベル第二弾。
前哨戦ながらも、緻密な駆け引きで楽しませてくれた第一巻とは異なり、この巻はこの先敵対していくことになるであろう、サブキャラクターたちの紹介と、四方世界を取り囲むオリエントの現状把握にページを割いた内容になっています。そのため、主人公二人も若干影が薄ぎみで、説明回という印象が拭えなくなっていますが、出てくる奴らがどうにもこうにも曲者揃いな上に、次回以降の不穏の下準備もすっかり整っているので、嫌でも期待が高まってしまいます。具体的に言うなら、ナムルから微笑みの眼差しを受けちゃってる王子の部下さんとか、フットワーク軽い傭兵王とか、実の父に犯されたがってるその娘さんとお馬鹿なその息子さんとか、内気だけど度胸はある知事とか、やたら少女っぽさを強調されてる王子とか、念飛ばしてくる巨人とか。特に、ツンツンツン+デレデレデレ+ド変態というパーフェクト娘のエレールさんと、上半身裸というけしからん格好のイバルピエル王子の可愛さは尋常じゃないので、ぜひ手にとってお確かめ下さい候であります。
しかし…自分の脳のスペックが低いからかもわかりませんが…地名と人名がいつまでたってもこんがらがりますw ンとかルとかムの含有率高すぎません*1?次までに全部把握できるようにしとかないと…。

*1:まぁ時代背景を考えれば当たり前ですが…