『下克上ボックス パンドラvol.2 SIDE-A』
- 作者: 講談社BOX
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/10/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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下克上ボックス。それは、若く野心に満ちた作家たちにとって、既存の作家から読者を奪うチャンス。たとえそれが、身の程知らずの"挑戦"だったとしても─。
パンドラvol.2にて始まった新企画『下克上ボックス』。『あしたの賞』を受賞した一歩届かなかった新人たちや、編集者さんが独自に目をかけた新人たちが、凌ぎを削るサヴァイバル企画。読者はチャレンジャーの中から、一人だけ気に入った新人に投票でき、その集計結果が次回以降の掲載に大きく関わってくるという、かんなりシビアな内容となっています。
購入から二ヶ月、SIDE-Bの刊行も間近に迫ってしまっていますが(笑)、ようやく全作品を読み終わったので、感想を書いてみようと思います。
ちなみに、作品ごとに項を設けるのではなく、全部『下克上ボックス』という大枠の中にまるめこんでの感想となっています。既存の作家より下の挑戦者たちなのだから、これくらいの扱いは至極当然!!ホントに一人だけにしか投票しないので、シビアに行きますよ〜!
月の夜だけ N村
漫画作品。女の子と犬の満月の夜だけの秘密の遊び。
N崎さん、KJさんが二人して言っておられるように、どことなくエロさがほとばしっている作品です。とは言え、モノクロだとその魅力が半減しているのが残念。今日届いた、KOBO入会ありがとうカードに描かれているN村さんのカラーイラストは、すんげーエロくて魅力的なんですが…。この作品に関しては、ちょっと落ちるかなぁ。これは漫画という媒体の分の悪さか…。
鬼灰買いの佐平治〜数えで十七、対岸にあって火事を横目に高軒の阿呆〜 小仙波貴幸
現代を舞台にした時代劇。灰を買うのが仕事っつーキャラクタもなかなかに新鮮で、面白かったです。あくまで登場人物達の顔見せのようなお試し版、といった感じの内容で、これ単体では満足感は薄かったり。でも、世界観は非常に魅力的で続きが読みたくなるような作品でした。
あおいひと いわかみちひろ
あー、こういう痛くて苦い青春、大好き。友達のままでいれないっていうのは、辛いよね。瑞々しすぎて正視できません…。
Good Luck! 一橋真
あーヤヴァイな。この人の絵、ほんと好きすぎる…w N崎さんの言うとおり、背景はあんまないし、未熟なところもまだまだありそうですが、なんかもう、うがーってなるな、この人の絵見ると…。描き込みも凄いし。うーん、でもこれだけで決めると、他の人があまりに不憫なような…。
盗人待ルノワール 円居挽
探偵が当たり前の世界を舞台にした短編ミステリ。短い中にも謎解きを入れ込んでいて、なかなかに面白かったです。軽い調子の軽妙な会話も、結構笑えたし。最後のオチはちょっと古くさくて笑っちゃったけど。寂しがりやの探偵さんもなかなかに可愛かった。長編はもっと面白いそうなので、期待したい、かな…?
緑の向こう側 斎まや
主人公の男の子が、四月一日に見えたのはたぶん俺だけじゃないはず。ファンタジックで切なくて、それでいてあったかくなるようなラストで、漫画作品の中では一番の完成度だと思いました。さすがに同人歴が長い方なだけはある。
泰国興降秘史
濃い。濃すぎる。それでいて女性はなかなかにふくつくしいという。しかし、うーん…これは単純に、自分の好みじゃないなぁ…。
全体的に、及第点はクリアしているけど、60〜80%の面白さを言ったり来たりしてるような作品が多く、甲乙つけがたいのが、正直なところでした。せめて漫画と小説で別枠だったら、まだ考えられるのに…うーんうーん…。
よし!ここはKJさんの熱意に免じて…
『盗人待ルノワール』に投票しよう!
長編『丸太町ルヴォワール』もかなりの面白さのようなので、出版を期待したいです!応援してます!
…てあれ。公式ページからメール欄が消えとる。
…ひょっとして、とっくに期限切れ?あれ…?