『ひぐらしのなく頃に解 第一話〜目明し編〜(上)(下)』 竜騎士07

ひぐらしのなく頃に解 第一話~目明し編~(上) (講談社BOX)

ひぐらしのなく頃に解 第一話~目明し編~(上) (講談社BOX)

ひぐらしのなく頃に 解 第一話~目明し編~(下) (講談社BOX)

ひぐらしのなく頃に 解 第一話~目明し編~(下) (講談社BOX)

生まれてきて、ごめんなさい。

昭和五十七年の初夏、興宮。
窮屈なお嬢様高校を脱出した少女・園崎詩音は、隠れ住んでいたその街で、穏やかな雰囲気を纏った少年・北条悟史と出会う。
不器用だが心優しい正確をした彼に、心引かれていく詩音。しかし、彼は綿流しの夜からしばらく後、『オヤシロさまの祟り』と称される、謎の失踪を遂げた。
それから一年が経過した雛見沢。悟史の失踪を憂う詩音は、一年前とまったく同じ状況下で、今度はがさつな少年・前原圭一と出会う。
詩音・魅音・悟史・圭一。恋心と嫌悪が入り混じった四人の関係は、凄惨な『オヤシロさまの祟り』に組み込まれ、五年目の祟りをどす黒く演出していく……!
秘祭・綿流しの裏で何が起こっていたのか。『ひぐらしのなく頃に』解答編の第一弾。


解答編と言っときながら、実際には正答は出ていなかったりする。
と言うわけで、ひぐらしのなく頃に解の一作目です。
今作では主に、「第二話 綿流し編」の裏側で起こっていた状況が語られています。
事件の解きほぐしが主になるだけあって、今作ではちゃらけた雰囲気はほとんどなし*1、のっけからシリアス度80パーセント増ぐらいの雰囲気で物語は進行していきます。魅音と詩音、二人の存在によって煙に巻かれた状態だった綿流しの事件の大まかな流れはだいたい掴むことができますが、それでもオヤシロさまの全容はまだまだ見えてきません。あとがきでも言われてるように、今回の主役の詩音、祟りの真相解明に失敗してますしね…。でも今作で、今までシリーズでまかり通っていた不文律がぶっ壊れたのは大きな収穫かも。果たしてこのまま消去法で真相を読み解くことは出来るんでしょうか。
しかし……人間って簡単に壊れてしまえるんですね…。
思うんですが、このシリーズは、キャラクタで読もうとせず、状況を俯瞰しながら読み進めていかないとキツイものがあります…。いったん誰かキャラを好きになってしまうと、辛くて仕方ない…。それを計算して、事件編であれだけ日常の描写に文章を割いてるとは思うんですけど。竜騎士さん、鬼畜だよ…。

*1:圭一のAV語りくらいしか記憶にない