OVA「ルパン三世 GREEN vs RED」

世界各地に何人ものルパンの偽者が存在していることが判明。次々にボロを出し検挙されていく中、2人組の赤ジャケットを着た偽ルパンはからくも難を逃れる。その頃、民間の軍事組織「ナイト・ホークス社」にはお宝『アイス・キューブ』を盗む旨を伝える、ルパンからの犯行予告が届けられていた。
そんな不穏な空気が日本に流れているある日のこと。ラーメン屋『グリーン軒』で働く冴えない青年・ユキオは、偽ルパンの一人（？）が残した、緑ジャケットとワルサーP38を偶然にも手に入れてしまう。怠惰な人生を変えるため、彼は本物の『ルパン三世』に成り代わろうと奮戦するが…。

一般向けはしない作品かな、と思いました。実験色の強い作品。エンターティメントな性質はあまりなく、淡々とした雰囲気が全体に漂っています。
抽象的なシーンばかりを映すことで、今回のルパンたちはどこか象徴的・偶像的な存在であるように描かれています。ルパン一味を主役に置かず、ルパンを踏襲しようとする第三者の目線から物語を描くことで、数々の作品が作られ飽和状態になっている『ルパン三世』という存在を、もうちょいと純粋なところから見つめなおす意図があったのかなーとか思ったり。
放りっぱなしの伏線や、ちょっと無理のある展開もありましたが、自分は割と興味深く観れました。傑作でもないし、秀作でもないけど、意欲作ではあったかな、という感じ。2時間くらい尺があれば、もう少しうまくやれたんじゃないかな、と思いました。
…いやしかし、巨大ロボットは無くてもよかったんじゃないかなぁ…；
あと「他人の褌で相撲は取れない」と劇中で言ってる割に、メインテーマに「カリオストロ」の「炎のたからもの」を持ってきてるのはどうなんだろう、と思いました。

ルパン三世 GREEN vs RED 【通常版】本編DVD+サントラCD