『とらドラ２！』 竹宮ゆゆこ

とらドラ〈2!〉 (電撃文庫)

強い子？あは、歪んでるだけだね。

相変わらず、摩訶不思議な馴れ合い生活を続けている、大河と竜児のクラスに転校生がやってきた。彼女の名前は川嶋亜美。大河の想い人・北村の幼馴染にして現役のファッションモデル。顔良し、スタイル良し、正確良しの完璧超人。あっという間にクラスの人気者となった彼女だったが、その真の実態はとんでもないものだった！？
更に、心中穏やかでない手乗りタイガーと敵対関係になってしまったからさぁ大変。荒ぶる虎と、従順な犬。一筋縄じゃいかない女たちは激突し、そこそこ安穏に続くと思われた彼らの学園生活に、波乱の嵐を予感させる……！

シリーズ第2巻。
さっそく王道な展開で、第三の女・転校生出現！です。
この娘は不思議ちゃんと見せかけて、実はそうじゃない、でもやっぱどこか不思議…？なよくわからない性格をした女の子。何故か竜児に迫ったりしてくるのですが、果たしてどんな思惑があってのことなのか。
この巻ではヒロインの座を完全にこの新キャラに持っていかれっぱなしで、大河は特に後半辺りから、なんだか影が薄くなっています。竜児との絡みを期待していた自分は至極残念。しかも今回は「そこで止めるかよ！」的なところで本編が終わっちゃったりして…。この不穏な空気を持ち越した状態で3巻に続く形になります。ということでちょっと評価を下げていますが…？（以下、3巻感想に続く。）
しかし、竜児周辺の人間模様につい目を奪われがちになりますが、今回ちょっとひいたかんじになっているキャラも、全体に渦巻く不穏な空気を、うまいこと中和させるグッジョブな働き*1をしてくれています。例えるなら、みのりんとかみのりんとか。この娘はほんといいキャラしてるよなー。人気投票をやったら、さりげなく一位を獲得するのは彼女かもしれない。
更に、今回は巻末に短篇小説「幸福の手乗りタイガー伝説」も収録されています。
生徒会の一年生、不幸体質の幸太くんなる人物が主人公の番外編なのですが、いつものメンバーたちを第三者の目線で見るとこんな感じになるのか…と新鮮な気持ちで楽しめました。彼は生徒会長さんと頑張ってほしいですね。たまにでもいいので、彼にまつわる続報も期待したいです。

*1:二重活用