『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん5 欲望の主柱は絆』 入間人間

「謎なんか何もありませんよ。問題が山積みなだけです」

相変わらず、屋敷に閉じ込められている僕ら。
何者かの手によって、僕がお話からフェードアウトしている間に、ちゃくちゃくと大江家の人々は数を減らし、さらには、伏見をも姿を消してしまった。
依然として助けの現れない密室空間。尽きていく食料。屋敷の中で顔をつき合わせている人々にも、次第に憔悴の陰りが見え始める。
けれど、ここで朗報。影法師からの推薦もあり、この心温まる家族のお話に、部外者であるはずの僕が、一応の決着をつけることになったのだ。わはは。
さあさあ、皆さんお立会い。今夜名探偵の手によって、すべての謎が紐解かれます。
……これが推理小説だったら、こんな感じの解決編さえ持ってくれば、万事めでたしめでたしと相成るのだけどなぁ。


というわけで、みーまー大長編の下巻です。
いわば、推理小説で言うところの解決編、ちょっと内容に言及しただけでネタバレしそうな因子がごろごろしているので、感想が書きにくいのが正直なところ。
ひとつ言えるとしたら、15年にわたる電撃文庫の歴史の中でも、トップ10には確実に入る修羅場が繰り広げられたのではないかと。嘘かどうかは、そこまでの冊数をこなしていないのでわからない。
ミステリな要素ももうしぶんなく。トリックや脱出法も鳥肌が立つ、ほどではなかったけれど「おおなるほどー」と思わず呟いてしまったのは嘘じゃないありません。
確実に、入間さんが自分独自の作風を確立していってるのが嬉しい限りでした。
でもそろそろ底抜けにフランクなところを見せてくれないと、彼の精神状態が心配になりそう…。自分の中で、生存報告用のブログを設立してほしい作家ナンバーワンです。嘘…かな?
というかこのシリーズ読むと、語尾に「嘘だけど」をつけたくてたまらなくなるのが困り者です。嘘だけどの嘘だけど。

サブタイ元ネタは…こんな感じ?

タイトル 元ネタ 備考
三章、暗中 殺意の拡散する夜 『殺意の集う夜』 4巻に同じ。
四章 底辺推理ダイニング 極限推理コロシアム 矢野龍王氏の処女作。第30回メフィスト賞受賞作。2004年刊行
五章 ある閉ざされた春の屋敷で 『ある閉ざされた雪の山荘で』 東野圭吾著。1996年刊行。
六章 そしていなくなる誰か そして誰もいなくなった アガサ・クリスティの傑作孤島ミステリ。超有名。1939年発表。
七章 セピアの迷宮 『クリムゾンの迷宮』? 貴志祐介著。1999年刊行。


『断章・2ピースパズル』の元ネタがわからない…。知ってる人いたら誰か教えてください。


あと、どうしても言いたいことがあるのですが、ネタバレになってしまうので格納。読んだ方のみスクロール推奨。






















































































自分の希望通り、湯女さんと茜ちゃんが生き残ったことにマジでびびりました。オカルトだ!