「とーじょーしても、よかですか?」

人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫)

人類が衰退した未来の地球。人間に取って代わって新たな地球人類となった謎すぎる生命体『妖精さん』と、その妖精さんと人間をつなぐ調停官となった『わたし』の交流を描く、コメディ小説。
おもわず「ぷしゅー」と息を出したくなる独特のまったり感は健在。
しかし、前作とは少し趣が異なります。
前回は、主人公と妖精さんのかけあいが主として描かれていましたが、今回は彼らの会話は少し後ろにひいています。その代わり、妖精さんたちが創りだした様々な道具のせいで主人公がてんてこまいする姿を描いています。ドラえもんっぽい。つーか絶対に意識している気がする。妖精さんのとぼけた会話を楽しみたい人はちょっと物足りないかもしれないけど、これはこれで面白い。

人間さんの、じゃくにくきょうしょく

知性の違いを背丈で表したり、ダンゴムシを喋らせたり、マジ田中ロミオさんはどんな思考で持って小説を書いてるのだろうという気にさせられた話。知性が0になったとき、人は生きているといえるのか…とかけっこう突き詰めると思いテーマを扱っているように思いましたが、それをもぽえーんとしたまったり話で落ち着かせてしまうのがこの小説ならでは、ですねw
ノロイに感動。

妖精さんの、じかんかつようじゅつ

タイムスリップもの。伏線がぼかして書いてあって、その上、自分は勘が鈍いので、完全に理解するまでに何度も読み返しました。
個人的には、『助手さん』の口調がアレじゃなくて本当によかった。性格的にはあっちの助手さんも好きなんだけど…あの一人称は色々キツイ。