斬れるヤツら・キレたヤツラの馬鹿騒ぎ。

1933年、NY。
運命に導かれるかのごとく、その場所に集結した刃物使いたちが、死闘を繰り広げていた。
無邪気な『鋏使い』は、人の絆を確かめるために。
陽気な『刀使い』は、この世の全てを斬れることを信じるために。
慇懃無礼な『槍使い』は、存分に暴れたいがために。
無言の『ナイフ使い』は、自分の仲間を守るために。
それぞれの得物、それぞれの意思で刃を散らす刃物使いたち。
その死闘に呼び寄せられるかのごとく集まるのは『妖怪』『吸血鬼』『不死者』そして『葡萄酒』。
彼らの闘いは雨を呼び、そしてそれは血の雨へと変わる。
全てが終わったとき、雲間から覗く輝く陽光を浴びるのは、果たして誰だ!?
バッカーノ!』シリーズ、上・下二分冊での第5弾。


いやぁ面白かった。数ある登場人物を限界まで複雑に絡ませて、最終章から一気に収束させるこの構成。これぞ『バッカーノ!』と言える実に楽しい話でした。



それぞれ別の得物を使う刃物使いの死闘、という物語の主軸がとても楽しかった。
また登場人物が更に多くなって、捕捉するのが大変だなぁ、と思っていたのですが、最初に登場人物紹介ができたおかげで格段にわかりやすくなりました。久々にフィーロやエニスも活躍してくれたし、今まであまり目立たなかったロニーさんもかなり見せ場があってよかった。泥棒カップルは今回少し脇に退いていた感もありましたが、いやいや大満足です。チック&マリアという新たなカップル誕生も見れたし。
で、またキレまくった新キャラも出てきましたねー。クリストファー・シャルドレート。成田さんはほんと、こんなキャラを書かせたら天下一品ですね。アニメになったときどんな風になるのか、どんな感じに演じられるのか今から楽しみすぎる。第四章「赤目と赤毛」扉絵でのクレアとの対峙シーン、とてもカッコよかった。
あ。
クレアといえば。
……本当にシャーネとの再会シーンがない(滂沱)。…でもま、二人がすでに相思相愛の仲にあるようなので、良しとしましょう。見せ付けちゃってくれちゃってさ、もう!読んでてニヤニヤしてしまいました。再会周辺にいったいどんな出来事があったのだろう…是が非でも回送編を手に入れなければなるまい…。
不満点は、収束の度合いがいつもよりゆるかったことですかねー。なんとなくしこりがある感じで終わってしまいました。でも、この話は1934と直接続いてるかなり長いエピソードになるようですし、仕方ないかなと思います。これで1934がまた3分冊の分厚い話ですからね…。気が重い…といえば嘘になるけどね!『カーニバル』を制覇した俺にとって、この程度の厚さじゃ痛くもかゆくも無いぜ!さあツタヤにれっつらごう!いっけえ俺のナノマシン!!*1

*1:すいません、今日はなんかテンションがおかしいです。気にしないでください