サウンドノベルゲーム「黒の十三」より―「今昔鬼譚」


「鬼の首」と書いて「おにこべ」と読ませる小さな山村・鬼首村で、残虐な殺人事件が発生した。現場は密室、不可解な謎。惨劇の犯人はこの地方に伝わる「鬼童」なのか、それとも――。


知る人ぞ知る、清涼院流水師がデビュー前後にシナリオを手がけた*1オリジナルサウンドノベル
ハードを持っていないし10年以上も前の作品なので手に入れることはあきらめていたのですが、ニコ動でそのプレイ画面をUPしてくれている粋な方がおり、体験することが出来ました。
うふお。これはまさしく流水大説ですね。クライマックスへと至るまでの流れが全て無意味にされるこの真相。良くも悪くも、コズミック・ジョーカーなどに代表される、初期の流水大説の雰囲気をどっぷり堪能できました。仮にこれが短編小説として発表されたら、さすがにどうかと思いますが、映像、そして音楽を付け加えることで、なんとも後味の悪いホラーに仕上がっていると思います。流水好きならなかなか楽しめます。35分で全編が終了するミニマムなお話なので、流水初心者にも読みやすいのでは?逆にコレが楽しめるかどうかが、流水大説を楽しめるかそうでないかの境目になると思います。ゲームなので、時々推理の選択肢を選ぶシーンがあるのですが、これ別のを選んだらまた話の流れが変わるんですかね?そっちも見てみたいです。
いやいや、楽しかった。UP主に感謝です。

*1:脚本は最終的にリライトを施した師の友人名義になってはいますが