図書隊最大の作戦。
- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/11/10
- メディア: 単行本
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福井の原子力発電所が襲撃された正化34年1月。日本初の国際テロ組織による被害に騒ぐ世間。
それは、図書館所属戦闘部隊・図書特殊部隊(ライブラリー・タクスフォース)の最大の戦いの始まりにすぎなかった。
本を狩り続けるメディア良化委員会は遂に最大の禁忌“憲法第21条”に手を出した。ありとあらゆる手を尽くし野望を成就させようと暗躍する良化委員会の影。次第に追い詰められる図書館勢。そのとき、暗闇の中に公明を見出したのは、やっぱりあの熱血バカで―!?
様々なメディアを巻き込み、静かに白熱する両者の戦い。戦いの果てにあるものは、自由に本を読むことができた黄金時代の復活か、はたまた強制検閲が自由に蔓延る暗黒時代の始まりか?――
30数年間、ブラックボックスの中に封じ込められていたメディア良化法成立の最悪の秘密が明かされるのか!?
そして、郁の胸に秘める思いの行く末は?
図書館特撮アクションラブコメシリーズ、これをもっての完結巻!
はい、と堪能させていただきました。
今回は序盤から密度が濃いです。濃すぎです。
最終回だけあって、有川さんもドでかい話を出してきました。
以下、簡単にネタバレ感想。あらすじ書いただけでなんか疲れたので、あとで追記します。
・序盤から郁と堂上がラブラブしすぎ。端から見ると完全に相思相愛にしか見えないのですが…わかんないものなんですかね。
・こんなにメチャメチャな話なのに、この迫力とリアルさはやはり相当な調査をしてるのだろうなぁ、と思った。
・あとがきで、良化委員会側の言い分がかかれなかったことについて
これは敢えて書いてません。
その理由もここでは述べません。
と有川さんやけにあっさり。たぶん、読者にはわからない色々な事情があったんだろうな、と想像します。
図書隊も良化委員会も、本来存在してはならず、お互いに正義と言い合って戦っている矛盾した関係です。間違った組織をつぶすには、間違った組織で対抗するしかなかった。だから、図書館の物語がこれほど濃密に語られたのと同じように、良化委員会側も同じようなドラマが繰り広げられていたはずです。間違っていることをわかりつつ、それでも自分たちの正義を信じ、戦っていた良化委員もきっといると思います。
そこも描くと、どちらも決して正義ではないという二面性が更にわかって面白かったと思うのですが…。
スピンオフを期待したいです。
・郁と堂上はハッピーエンドでしたが、他にも煮え切らない人たちが何組かいらっしゃいますねw 郁・堂上ペアも、彼氏彼女の関係になってからのラヴラヴっぷりを見たかった気もするし…。こっちもスピンオフでそのうち書かれることを期待します。