God`s truth
- 作者: 麻耶雄嵩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/07/07
- メディア: 単行本
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僕―黒沢芳雄の学校に転校生がやってきた。彼の名前は鈴木太郎。クラスメイトたちと馴れ合わず、ずっと一人でいる彼は、僕に「自分は神様だ」ととっぴょうしもないことを打ち明ける。更に彼は、誰も知るはずのない、この町で起こっている野良猫連続猟奇殺害事件の犯人の名を予言して魅せた。同町の子供たちが所属している「浜田探偵団」のメンバである僕はそのことを探偵団の皆に報告。全員で、犯人を捕まえようと意気込む。だが、遂に誰もが恐れていた人間の被害者が出てしまい……。
柊雨さんじゃありませんそれを期待して検索してきた方ゴメンナサイ。
実は麻耶雄嵩の作品を読むのはコレがはじめて。ネットのあちこちで絶賛されてたので読んでみた。
うむぅぅ。評判を聞いてたからわかってたことだけど、なんたる後味の悪さ。雄嵩氏が自分から語ってたことだけど、まさに「子供にトラウマを与えるような」小説だと思った*1。
(子供の)自分の信じているものが崩壊する。これほどの衝撃があるでしょうか?
でも、これは積極的に子供に読ませたほうがいい作品だと思った。
というのも、読み終わった後、絶薬11での山田玲司氏の
「人は殺す。人は食べる。人は犯す。それが人間」
という言葉を思い出したから。
どんなに理性的に装っても、他の動物とは違う感情とやらを強調しても、所詮殺すし、食べるし、犯してる。
そんな当たり前で醜くもある本能的な部分を、子供の頃から知っておくのはいいことだと思う。
ぜひ積極的にトラウマにしてほしい本だと思いました。
余談ですが、Gen9が小学生の頃だったでしょうか。
国語の時間にディスカッションみたいな授業がありまして。
確かテーマが「狼に育てられた少年は人間であると言えるか?」というものだったんですね。
で、大半の生徒は「狼に育てられようと人間は人間だ」と「人間」チームに参加したのですが、Gen9は少数派「狼」チームを選びました。
その根拠は「だって、人間は動物だから」。
「人間は人間である前に動物であり、育てられて親によってどれになるかが決まると自分は考える。だから、たとえ生物学上が人間であったとしても、狼に育てられれば狼であり、ライオンに育てられればライオンだ。狼少年だった子供も、保護したりなんかせずに、そのまま狼として親と一緒に暮らさせてあげれば幸せだったのに」
的なことを言った記憶があります。
たぶん、Gen9は自分にとっての「神様ゲーム」のような作品にすでに出会ってたんだと思います*2
自分で言うのもなんですが、当時Gen9は他の同級生より大人な(カッコ悪く言えばマセた、悪く言えば生意気な)子供で、それがそのまま現在に至ります。今までなかなか充実した人生を過ごしてきたように思います。
「子供に読ませられる本などドブに捨てろ」なんですなー。やっぱ、と思った次第です。