『にこは神様に○○される?』


にこは神様に○○される? (ガガガ文庫 あ 1-1)

にこは神様に○○される? (ガガガ文庫 あ 1-1)

「健全なる鼻血ノベル」というキャッチコピーがやけに目についた一冊。
ここまでこのコピーを押し出してるのはなんか妙だ。
これはいやらしい小説と見せかけて、実は全然別なことを企んでるのでは?このコピーはもっと違うことを仄めかしててるのでは!?
同じPCゲームシナリオライター田中ロミオのヤツはメチャメチャ面白かったし、今回も期待できるかも!
と思って買ったのですが……。
うーん。
あらすじをごく簡潔に述べると。
この世界を破壊する神様(さらさら金髪の少女の姿)がお目覚めになりました。本来1999年に目覚めるはずだった彼女は、世界を破壊するために「世界の蕾」という指輪をはめている者と契りを交わさなければならない。で、運悪くその指輪をはめてしまったツンツン少女・にこが神様のあの手この手のいやらしいアプローチを回避していくという、まぁそんな話。
文体自体は微妙なボケが効いててそこそこ面白いんだけど。
うーん。
なんか、こう終わり方が強引と言うか、本来は5章構成の小説を3章ぐらいでムリヤリまとめた感じというか、なんと言うか。
たとえるなら、10週で打ち切られたジャンプの連載を読み終えたときのような読後感。
伏線とかも随分残ってるし、登場人物もまだうまく廻しきれていないような気も……。
ガガガの編集部ログを見てみると、この小説、編集部のオファーが来てから刊行までわずか2ヶ月しかなかったらしい。
作者もこれが始めての小説作品なのに、短い期間で書け言われて色々慣れないところもあっただろうし、大変だったのかもなぁ。
とか。思いました。
この人が作ったゲームと同じ世界を舞台にしているらしいので、そっちをプレイしたらまた読後感変わるかもしれませんね。
次回作に期待したいです。
ちなみにイラストは、通常と手抜きの緩急のつけ方が上手くて、けっこう好き。