『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2 善意の指針は悪意』 入間人間

ふぅん、人って、中身はこんなのなんだ。

あの出来事から一年の十二分の一弱の時間が経過した。僕とマユはお互い別の理由で同じ病院に入院していた。そこでは一人の入院患者が行方不明になっていた。その事件は当初、僕にとって問題となるべき事柄ではなかった。
数日後。マユは頭部と花瓶を巡り合わされた。誰かの手によって。そして、治療から帰ってきたマユは僕にあることを口にする。
死体を見つけた、と。
「うむ、あれは確実に死んでましたな」

一作目が気に入っちゃったので、読んでみた二作目。一作目で物語の核心を利用したトリックを使い切っちゃってたので、果たして新しいモノが書けるだろうか、と少し危惧していたのですが。杞憂に終わったかな。
うれしいことに、前作よりももう少しミステリに寄った内容になってた。いーちゃんみたいな虚偽だらけの会話の綱渡りが楽しい。劣化西尾維新なんていう人もいるらしいですが、これはこれで面白いッスよ?まぁ、西尾さんと似てると思っちゃうのは否定しませんが。
不満はジェロニモさんの出番が少なかったことかなぁ。いつかイラストに起こされる日を夢見てます。看護師さんは心の中で形梨らぶみさんに置き換えて読みました。
それにしても、電撃文庫は「僕らはどこにも開かない」の一件といい、こーゆー小説への耐性がなさすぎる気がする。問題作かなぁ。「僕ら〜」もこれも普通に楽しく読めましたよ?順調に売れてるようだし、ひょっとすると入間さんは、電撃での「こーゆー小説」のレールを組み立てる先駆者になってくれるかもしれない。
追記。
ネットの感想をチェックしてみると、1巻に比べて落ちた、という意見が多めのよう。確かに1巻はキレイにまとめてたからなぁ。Gen9もムリにシリーズにしようとしていると感じました。でも…個人的にはこのミステリ路線もけっこう好きだけどなぁ。どうでしょ?