『赤い夢の迷宮』 勇峯薫

赤い夢の迷宮 (講談社ノベルス)

赤い夢の迷宮 (講談社ノベルス)

仲良し5人組の僕たちは、不思議な雰囲気を持った男・OGの元へ集っては、毎日楽しい日々を過ごしていた。
けれど、彼の別荘…通称「お化け屋敷」で体験したある事件がキッカケとなって、彼と僕らは疎遠になってしまう。
それから25年後。大人になった僕たちはOGから同窓会の招待を受けた……あの場所での。
そこで待っていたもの。それは悪夢のような殺人事件だった…。
黒服変人名探偵。マントを靡かす少年探偵。最強中学生コンビ。ワイン好きの華麗な怪盗。
この終わりのない赤い夢の中に、決して彼らは現れない。

はやみねかおる、もとい勇峯薫初大人向け作品。
語り口調は、少し幼い感じもある一人称で、まぁいつもどうり。これで本当に大人向けになってるのか?と疑いながら読み進めましたが……いやはや、甘く見てました。ビターだぁー。ファンの方に解説すると、「魔女の隠れ里」の語られてないもうひとつの真実とか、「機繰館のかぞえ唄」の「夢の中の失楽」の雰囲気を更に黒くした感じ。あーでもこれ小学生のはやみね読者諸君とかはショックうけるかもなー。もう少し大人になるまで封印してたほうがいいかもです。Gen9の好きなタイプのミステリで完成度も高いので大人の皆さんにはオススメ。次回作も期待したい。