『喜劇ひく悲奇劇』 鯨統一郎

喜劇ひく悲奇劇 (ハルキ・ノベルス)

喜劇ひく悲奇劇 (ハルキ・ノベルス)

回文愛好家たちが集うネットサークル「回文こんぶいか」。初のオフ合宿で別荘「高山館」を訪れた彼らだったが、そこで待ち受けていたのは血塗られた連続殺人事件だった。回文に始まり、回文に終わる、1ページに必ずひとつ以上の回文が現れる、超絶回文ミステリ。


タイトルも回文。登場人物も回文。章タイトルも回文。全てが回文に彩られた本格推理小説。回文のミステリと言えば、泡坂妻夫の「喜劇悲奇劇」が有名ですが、タイトルからもわかるとおり、それへのオマージュとなっています。なんとなく文章は少しぎこちなくなっていますが、これだけの回文をひとつの本に入れ込むのは神業的と言えるでしょう(特に途中の、登場人物の構想する推理小説のあらすじを語るところは圧巻!)。おかげでミステリの部分があまり頭に入らなかったり。「読めよ」!
章タイトルだけちょっと紹介↓

第一章 抱いた死体だ
第二章 刑事行け
第三章 アリバイバリア
第四章 偽ナイフいなせに
第五章 密室史罪
第六章 よく焼く毒薬よ
第七章 三人犯人さ
第八章 ひきつるわ、逮捕いたわる月日
最終章 真実殺人史