父の書棚にあったゴーマニズム宣言に、『表紙をファンシーにして目をくぐり抜けようとするエロマンガが多い』みたいな話を読んで、一念発起。古本屋で目を皿のようにして探し求めた末に見つけたのが、この『MAXI』でした。しかし、肝心の性行為シーンがぶっ飛んだシチュエーションのモノが多く(笑)、当時の自分には、エロとしてはかなり手に余る漫画でした。
しかし、巻頭の『宇宙賃貸サルガッ荘(プロトタイプ版)』のポップなコメディタッチと、巻末の『LIVEWELL』の病んでる切ないストーリー、ベクトルのまったく異なる、けれど素晴らしすぎる世界観に打ちのめされ、TAGROさんのファンになるキッカケを与えてくれた作品でもありました。思春期のまっただ中に、この人と出会えたのはすげーラッキーだったなぁと今でもしみじみ思います。こんな凄い才能が古本屋の片隅に埋もれていたことに、当時はひどく悲しんだモノでしたが、その後、ファウストにて彼の名前を発見したときは、びっくりすると同時に、「あぁ、やっぱこの人とはこういう巡り合わせがあるんだな」と妙に納得したりしてました