『別冊・図書館戦争2』 有川浩

別冊 図書館戦争〈2〉

別冊 図書館戦争〈2〉

「幸せになって」

「もしもタイムマシンがあったら」というわかりやすい話題で盛り上がる図書特殊部隊の面々。そんな中、副隊長・緒形は部下たちの何気ない質問に「大学生の頃」と、遠い目をしながら答えた……「もしもタイムマシンがあったら」
昼間の一件から、じゃれ合い半分の喧嘩をするに至った堂上夫妻。やがて分が悪くなった堂上は、郁に新米時代の話をするよう迫られて……「昔の話を聞かせて」
郁たちが決着をつけた後も、孤高の美女として図書隊内で名をはせ続ける柴崎。そんな中、彼女をつけ回すストーカーが現れて……「背中合わせの二人」
これにて幕引き、お役御免、別れに涙は見せないぜ?図書館シリーズ、これを持っての、正真正銘完結巻。


久しぶりだから上手いこと書き方忘れちゃってるなぁ。
という訳で、図書館スピンオフ第2弾。シリーズ完全完結編です。
今作では、堂上・笠原以外の方々のその後とか昔の話とかが描かれています。
番外編ではありますが、今回は柴崎が二重のストーカーにつけ回されかなり際どいところまでいってしまうなど、本編でもやらなかったようなかなりえぐい展開もあったりします。名も知らぬ幽霊のような存在にいいように振り回される恐ろしさ、気持ち悪さ…この辺はいろんな意味で、女性にしかわからないコトですよね…。
あと、今回読んでて本当に嫌だったのは、水島と自分がかなりダブって見えてしまったこと。他人に対する態度、たぶん自分もこんな感じ、なんだろうなぁ…。さすがに彼女のように、自分をおとしめると見せかけて他人を蔑んだり、媚びを売ったりなんていう、器用なんだか不器用なんだかわからん馬鹿はできませんが。でも表面上は、こんな風に卑屈な態度になってるだろう、きっと。空気も全然読めないし。ま、結局、最後の最後にはいろんなコトが計算尽くだったことが発覚し、そもそもの本質が違うとわかり、ほっとしたんですが。彼女を反面教師に気をつけなきゃいかんなぁ…。
しかし、まさか○○と○○が主役二人組以上にハッピーなエンドを迎えるとは、夢にも思わず。てっきり、ちょっと進展しただけの微妙な展開で終わると思っていたんですが…。とはいえ、自分はこの二人大好きだったので無問題。こんな展開も大歓迎。良かった良かった。
それと、個人的に今回「おぉ」と思ったのは、良化委員会側の言い分が、わずかですが描かれたこと。無論、一個人として彼らの存在は絶対許せないですが、本編が図書館側一方からの視点だったので、少し懐疑的になってしまってたのも事実でして…。ほんの少しですが彼らの建前を知ることができて、ほっとしました。
そんなわけで、長く追いかけてきたこのシリーズもようやっと完結。名残惜しいことはもちろんで、できることなら体裁無視して暑苦しいキャラ語りでも始めたいところですが…、この辺で、自重させていただきます*1
図書館シリーズ全六巻。堪能させてもらいました。有川先生、お疲れ様でございました。



























































土下座タイム。
最初、緒形副隊長のことを完全に忘却していて、彼のエピソードを玄田隊長と混同しながら読んでしまいました。
この場を借りて謝罪いたします。
……緒形さん、ホントすいませんでした;

*1:郁が完璧堂上の影響を受けていて悶えたり堂上の間抜けで可愛い一面が見えて不覚にも萌えてしまったり小牧の殺意MAXモードににやにやしてしまったり……そういうことはここに書くべきではない。と思う。