『涼宮ハルヒの溜息』 谷川流

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)

ほんと、どこに捨てたらいいんだろうな、これ。

『世界をおおいに盛り上げる涼宮ハルヒの団』、通称『SOS団』が発足してはや半年。唯我独尊でとにかく楽しいことを追い続けるハルヒが、次に目をつけたのは文化祭だった。全国的な傾向だが、この県立北高校の文化祭も全体的にあまり盛り上がることはなく、生徒たちもみな怠惰気味に準備を進めている。このやぼったい雰囲気におおいに憤慨したハルヒは突如『超監督』になることを宣言、SOS団の総力を持って、長篇娯楽映画を上映することになった。いきあたりばったりで進む映画撮影の中、またしても壊れていくキョンの日常。果たしていつものごとく、無自覚なハルヒの非日常に振り回されていくことになる…。


『憂鬱』を読んでからもう1年も経つのかー…。早いもので。
と言うわけで、シリーズ第2弾。自分にとっては久しぶりなハルヒとなったわけですが、それほど置いてけぼりを喰らう事もなく、それなりにするする読んでいくことが出来ました。キョンの言い回しが回りくどくって、少々背中がむず痒くなったりはしましたが。
で、感想なんですがー…。それほど面白くなかったなーていうのが正直なところかなぁ。前作『憂鬱』はそれなりの薄さの中で、次々に非日常な展開が起きて楽しかったんですが、今回は基本的に映画を撮影していく過程だけが延々描かれますし…。あと、ハルヒ視点の記述がまったくなかったのが寂しかったかな…。憂鬱ではハルヒ自身の心情吐露があったのですが、今回は人の気など知らず暴れまくってるだけで、いまいち感情移入ができなかったです。彼女はこのまま、すべての中心なのに何が起こっているのか全く知らない、周りから観察されるだけの可愛そうな位置におさまっちゃうのかなぁうーむ。次回はミステリな話もあるみたいですし、期待してるんだけどなぁ。
あと、ちょっと脱線しますが、この『溜息』は、弟が購入したのを借りて読んでいたりします。
半年前まではラノベのラの字も知らなかったのに、今じゃニコ動で勝手にハルヒのアニメ観たり、ツンデレだのヤンデレだのを日常会話にはさんできたり。あっという間にオタクの階段を追い越されてしまいました。まぁ自分が色々教えたのが原因なんですが…。決して悪いことではないのだけど、なんだか罪悪感を覚えてしまいますなぁ…。