『都会のトム&ソーヤ5 上・下 IN塀戸』 はやみねかおる

都会のトム&ソーヤ(5)IN塀戸上 (YA! ENTERTAINMENT)

都会のトム&ソーヤ(5)IN塀戸上 (YA! ENTERTAINMENT)

都会のトム&ソーヤ(5)IN塀戸下 (YA! ENTERTAINMENT)

都会のトム&ソーヤ(5)IN塀戸下 (YA! ENTERTAINMENT)

きみといれば死ぬことはない。

遂に完成した伝説のゲームクリエイター・栗井栄太の最新R・RPG(リアル・ロールプレイングゲーム)。ゲーム画面ではなく現実世界で展開するこの最新ゲーム『IN塀戸(INVADE)』を“第六のゲーム”にすることを防ぐため、内藤内人と竜王創也は山奥の山村・塀戸村を訪れる。
招待された幾人かのプレイヤーたちと、栗井栄太が仕掛けたこのゲームを攻略しようとする内人と創也。しかし、時間が経つにつれ、事態が思わぬ方向に進んでいることを知ることになる。何者かの手によって塞がれる村の入り口。内人たちを次々と襲う殺意に満ちた罠。更に“重力を操る”ことのできる人知を超えた存在『X』までもが登場し……。
果たしてこれは、プログラムされたゲームのシナリオの一部なのか?それとも……予期せず発生してしまったバグなのか。
現実と空想が入り乱れ、混迷を極めていくR・RPG『IN塀戸』。果たして最強中学生コンビは、このゲームを見事クリアすることができるのか?そして、栗井栄太をふたたび「ぎゃふん!」と言わせることは出来るのかっ!?


ようやく読めたよシリーズ第5弾。
上下で2000円を超えるとあってなかなか購入に踏み切れず図書館で借りようとしたものの、やはりはやみね作品は人気が高くずーっと先まで子供たちの予約でいっぱいで…。そんなこんなで刊行から10ヶ月以上が経過したのち、ようやくの読了とあいなりました。
で、感想ですが、久々のはやみね作品ということもあって、最初はちょいと読み進めるのに苦労しました。はやみね作品の特徴である、すこしズレた漫才会話を中心に進められていく構成が、なかなか頭に入ってこなくて…。ストーリーも、上巻の時点ではちょっとぬるい感じで、ホントにこれで上下巻読ませる気だよなーとか思ったり。もう自分ははやみねかおるから卒業するべきなのだろうか、とそんなことも一瞬考えました。
ですが、下巻に入り、ゲームが佳境に入ったところで持ち直し、なかなか面白くなりました。さすがはなかがきで「栗井栄太が『伝説』と呼ばれるゆえんを見せる」と言ってるだけあります。
更に今回は、メインのIN塀戸以外に、おまけの短篇小説も充実しています。怒れる卓也さんの思わぬ才能や、内人のお父さんの知られざる実力…。自分は特に、内人たちの同級生・真田女史の短篇がお気に入り。自分、だいぶ時間が空いたせいでこの娘の存在を忘れていたんですが、今回の短篇を読んで、すっかり彼女のことが好きになりました。可愛いよ真田女史可愛いよ。
さて、次に挑むはクイーンの新作なんだけど……また子供らの予約でいっぱいなんだろうねェ…(´・ω・`)*1
あとどうでもいいけど、巻を重ねるごとにどんどん創也はアホの子になってる気がしました。まる。

*1:買えや。