彼は生涯を通して風を愛し、風のように自由に生きた。
山風忍法超 清涼院流水
- 作者: 講談社BOX
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/02/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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後の世に「岡山」と呼ばれることになる、とある国。
丘や山が多いその地の、二つの山に挟まれた細長い谷間、そこには小さな小さな村があった。
その谷間には、いつも風が吹いている。そのことから、其の村は「風間」と呼ばれていた。
そして、其の村に、一人の侍が足を踏み入れることから物語は始まる…。
清涼院流水が挑む初の時代劇。
『パンドラ vol.1 SIDE-A』にて行われた『山田風太郎トリビュート・嵐』に寄稿された短篇。
時代劇、ということで少し緊張しながら読み始めたのですが……やっぱり流水大説は、どんなジャンルになろうと流水大説でした(笑)。満足度としては、『今昔鬼譚』を読んだときと同じくらい?
印象的だったのは、大説の基本要素とも言える言葉遊びが、時代劇という舞台設定にまったく違和感を持つことなくぴったりはまっていたところです。大説って、けっこう時代劇と親和性が高いのかも?短篇だけといわず、いつか本格的な時代長篇大説も書いて欲しいなあ、とか思ったりしました。
締めの言葉から、流水さんの山田風太郎への愛がしみじみと伝わってきて、なんだか微笑ましかったです。
あと、一橋さんのイラストが可愛すぎて可愛すぎでした*1。そーか、太郎は女の子だったのか(違)。
さてと。
山風、読んでみようかしらん?
*1:頭の悪い文章