「新婚旅行で馬鹿騒ぎ!」

双子の豪華客船『エントランス』と『イグジット』。黒と白、この二つの豪華客船は日本とアメリカ、二つの港から、それぞれの出発港を目指して進む。そして、旅程の半ば、太平洋ですれ違うとき、お互いの無事を祈り、巨大な花火を打ち上げるのだという。この二つの船に、それぞれの思惑を抱えた者たちが乗り込んでいく。
◇『カモッリスタ』は、家族と日本に旅行に行くために『エントランス』に。
◆『不死者たち』は、仲間の一人に誘われて『イグジット』に。
◇『ハリウッドスターとスタントマン』は、映画宣伝のために『エントランス』に。
◆『若き手品師』は、祖先の復讐を成就するため『イグジット』に。
◇『密航者たち』は、童顔野郎に目に物見せてやるため『エントランス』に。
◆『教祖』は、妻と二人で『イグジット』に。
◇『猟犬』は、敵の喉に喰らい付くため『エントランス』に。
◆『SAMPLE』は、『贄神』を迎え入れるために『イグジット』に。
◇『ビジネスマンたち』は、社長の命令遂行のため『エントランス』に。
◆『ビジネスマンたち』は、社長の命令遂行のため『イグジット』に。
そして、二つの船が出発したその日の夜。それぞれの船上で、思いもかけない惨劇が幕を開ける。そう……まるで、70年前の『豪華列車』の事件を模倣するかのごとく――。

昨年既に読み終わっていたのですが、……うん、色々ありまして感想upが遅れに遅れました。申し訳ありません。
とあるキャラクタたちの新婚旅行編ということで、大いに期待して読み始めたのですが、話的には『2000年代編』のキャラの顔見せという印象が強く、やや肩すかしを喰らったような感じでした。
というか、この作品で、『バッカーノ!』シリーズの大まかな形が示されたという感じですかね。
全ての始まりである『1700年代編』。物語が広がりを見せる『1930年代編』。物語の核心が語られる『2000年代編』。
この3つを同時進行的に進めて行くことになるのでしょう。
何度か言及しているとおり、自分は一冊一冊がきっちり終わりを見せている作品を好みます。なので、このようにあからさまに『続く!』を押し出している展開は少し残念なんですが…。でも、このシリーズはもう自分にとって、とても大きい存在になっていますし、ここで切るという選択肢は考えられませんわ。これからもどんどこ追いかけて行きたいと思います!

以下、ネタバレ。
・フィーロが可愛そうすぎる。
・フィーロとエニス……まだ××なのか…。ありえねい。
・クローディアとシャロン、カワユス。
・クレア&シャーネ、ご存命で何より。ぜひ90歳のクレアの活躍を書いてくれ!!
・ボビーの今後が楽しみ。
・実はフェルメート復活はニコ動の『ネタバレ禁止』のところのコメでバラされて知ってました(!)。それでも驚き。キャラが濃い人間たちばかりなことを逆手に取った演出。