本格バトルアクションマンガ(?)、曽山一寿の新境地!

わざぼー 第1巻 (てんとう虫コミックス)

わざぼー 第1巻 (てんとう虫コミックス)

絶体絶命でんぢゃらすじーさん』で有名な曽山一寿の連載作品の単行本化。
隔月刊行の雑誌のため、なかなかページ数が集まらず、単行本になるまでに2年と9ヶ月もの時間がかかっており、随分待ちました。しかし、マンガ内で大ゴマが多用されているので20分とかからず読み終わってしまい、なんだか色々割に合わない思いをしましたが、さて。
この作品はじーさんのような不条理ギャグマンガではありません。
村長から大事な『たから』を悪者から守るように言われた女の子・技々みみみの闘いを描く、ギャグありシリアス成分多めのバトルマンガです。彼女は不細工な顔をした不思議な棒『わざぼー』を武器として使うのですが、この棒は『敵に触れさせてテキトーに技名を唱えると、そのとおりの技が繰り出される』という、バトルマンガを色々台無しにするような掟破りなシロモノです。とは言え、それで話が興ざめになるかと言うとそう言う訳でもなく、敵もその棒を攻略するために色々な策を練ってくるので、結構楽しんで読めます*1
ところどころで、大長編じーさんで見られる、曽山一寿のシリアスな作風が押し出されていて、普段のじーさんとは全く違う趣で読むことが出来ます。なんだかんだ言って、けっこう王道なバトルマンガしてますし。曽山ファンはさることながら、『じーさん』はどうも好きじゃない…という人も割と楽しめるんじゃないでしょうか?
同世代の人間にはそこまでオススメできませんが(笑)、幼稚園〜小学1、2年生の子供たちにはぜひ読んで欲しいなぁ。
よいこのみんなー。おもしろいから、ぜひ てにとってね〜♪
あと、曽山先生の描く子供キャラって、じつは愛嬌があってとんでもなく可愛いということがわかって結構驚き。『じーさん』はじじいばっかで、唯一の子供である孫もマンガの半分以上はリアルな突っ込み顔だからなぁ。…でも、横顔になったとたん急に鼻が高くなる癖はなんとかならんもんかw

*1:まあ、策と言っても、そもそもが小学生低学年向けのマンガなので、知れたものなのですが