パーフェクト・ワールド Book.12刊行記念サイン会『京都どーも・グランドフィナーレ 〜パーフェクト・おわるど〜』レポウト!





行って来ましたよん。
あと、レポートを読んでもらう前にひとつ注意を。
このレポートには会話文が多々挿入されていますが、これはGen9の記憶から書き起こしたものなので、脳内補正がかかっていて正確な文章にはなっていないはずです。ま、こんな感じの文章だったんだなと、雰囲気を感じてください。

18:00

サイン会会場であるメルパルク京都に到着。地図に載ってなかったので旅行前は場所を把握していなかったんですが、実際京都についてみると駅から5メートルと離れていない場所にあって吹いた。わかりやすすぎるから、地図に載っける必要が無いってことか。
会場は普段バイキングとかやってる場所みたい。「本日は貸切です」という看板がかかっていて嫌でもテンションが高くなります。
『参加証しおり』を係の人に見せて、御大へのメッセージを書く紙をもらう。今回はこれに通しナンバーが振られていて整理券としての役割も果たしているようです。そして、一緒にパーフェクト・ワールドのお試し2P冊子、2008年以降の流水さんの刊行予定が記されている限定ペーパーも全員に配布されました。
会場には丸テーブルや長机がいくつも置いてあり、前方にはステージ。サイン会というよりはパーティのようです。
会場入りすると、福岡のときにも来てた人と遭遇。彼女は友達3人と協力して、地域を分担してスタンプラリーをコンプリートしたんだそう。1人が3人分の本を買い、3人分のシートにスタンプを押してもらう。別の人の担当地域でのサイン会が決まったら、その人に3人分のシートを送って、また3人分のスタンプを押してもらう…という風に協力して3人全員12個コンプをなしとげたんだと。頭いいなぁ。そんな方法思いつきもしなかった。
彼女以外にも、以前から参戦を報告していたウリオさんやTさん、ファーストさんとも会いました。みんなで流水談義、京都談義に花を咲かしました。
そしていよいよ清涼院流水師の登場。
と、会場が一気に暗くなり、BGMが鳴り響きました*1。そして後方の階段がスポットライトで照らされたかと思うと、そこには御大の姿が!会場にいる全ての人の拍手に迎えられ、ライトの光を浴びながらゆっくりと階段を下りてくる御大。*2
今回の御大の意匠は紺色の着物。黒の足袋に下駄を履いて、髪は白*3のリボンのようなものでくくっておられました。それをまた完璧に着こなしていて…すごく似合ってました。かっこよすぎるんですけども。
そしてそんな京都チックな御大からはじめの挨拶が。
色々考えてたんですけど、全部司会の人に言われちゃいました…と前置きしながら。

流「みなさん、本日はサイン会にお越しくださり、本当にありがとうございます。『パーフェクト・ワールド』の執筆は本当に苦しくて、最後の方は一週間徹夜で書いたりして…。編集者に『本当にもう無理です!』と泣きつこうと思ったこともありました。でも、そんな風に執筆が苦しくなるとき、頭に思い浮かぶのがどーもツアーに参加してくれた読者の方たちで…。『パーフェクト・ワールド』を書きとおすことが出来たのは、ひとえに読者の方たちのおかげです。本当にありがとうございました!全然お礼とかは出来ないんですけど、今日はせめて感謝の気持ちをこめてサインを書きまくるので、よろしくお願いします!」

そして北海道から来ていた梅吉さんからも挨拶がありました*4

19:00

自分の順番まだまだだったので、会場の中をグルグルと廻ることにしました。
長机の上には『パーフェクト・ワールド』で使用された写真、梅吉さんの切り絵、表紙・しおり・帯シールのデザイン案、実際にパーフェクト・ワールドの基となった初校の原稿などが展示されていて、好きなだけ見ることが出来ました。
原稿は、印刷ミスやルビ指定に山のように赤ペンでの修正が入っていて…見るだけで気が遠くなる。えーと、1ヶ月の間に英語の文法&発音をまとめて、取材行って京都の地図書いて、実際に執筆して、何度もチェックして修正して……。いや、どう考えても1月でできる仕事じゃねえ。改めて御大の超人っぷりを思い知らされました。
梅吉さんの切り絵はいくつも展示されていたんですが、ひとつだけ見たことないやつが。スペードのエースと髑髏があしらってあるものでBook.10で使用するはずのものだったようなんですが…。うむう?
前方のほうに行くと、梅吉さんがリアルタイムで切り絵を制作中。梅吉さんは女性の方で、バンダナ&ジーンズの活動的な恰好。とってもフレンドリーで普通にお客さんとおしゃべりしながら、手だけはもくもくと切り絵を切る。スピーディにして的確な切り捌きでした。

G「梅吉さん、あのBook.10の切り絵はどうしてボツになっちゃったんですか?」
梅「ああ、これ話していいのかわかんないんですけどw。切り絵を作った後、写真と組み合わせて表紙を作ったら、平安神宮の鳥居に髑髏がカブちゃって…。これはあんまりにも縁起が悪いなっていう話になって、作り直したんです。ま、しょうがないしょうがないw」

気さくな方でした。

20:00

編集部の人が京都中から買ってきたさまざまな種類の八ツ橋が並べられているコーナーがあり、食べ比べをすることが出来ました*5熱いお茶も飲み放題。どれも美味しかったですが、個人的には豆入りのやつが好きかもしれない。すでにお土産の八ツ橋は購入済みだったので、早まったことをしたな…と少し後悔。
編集者の人に話を聞いていると、太田さんは東京でお留守番だそう。いろいろ言いたいことがあったので、ちょっと残念でした*6。太田さん以外の編集部の人は全員参加していて、そのほかにも広報の方、営業の方、さらには現・講談社文芸第三出版部の編集長である蓬田勝氏もいらっしゃっていました。
この辺になると、Gen9は少し眠気&ハイテンションで、図々しくも上の関係者の方々にバシバシ話しかけました。今落ち着いた頭で考えるとなんて恐れ多い…。
本当はこの時間でサイン会はお開きになるはずだったんですが、予想以上に時間がかかっているのか、まだまだ終わる気配は見えず。いいぞいいぞ、どんどんのびろ〜。この幸せな時間がもっと続けばいい。

21:00

自分の番になりました。
どきどきしながら、それでも福岡のときよりは少し落ち着いてサインに臨みました。
「福岡のときはお世話になりました〜」と言うと、「ああ、そういえば来てらっしゃいましたね!今日はわざわざ遠くからありがとうございます」と、御大。かー幸せすぎる…。

流「ところで、このサインの希望名は何なんですか?」
G「ああ、その『Gen9』はハンドルネームで、それで一級は…」
流「ああ、『カーニバル』の!一級なんですか?」
G「そうなんです…。1980のクイズが全然解けなくて…」

えーとわけわかめな人に解説。
流水さんの著作『カーニバル』文庫版の最終巻に流水大説読者段位という付録がありまして。これは流水さんの著作をどれだけ読んだかで、自分が流水大説読者の中でどのくらいのレベルなのかがわかる、というものです。正確な基準は『カーニバル』を読んで確かめて欲しいんですが、

5級…『カーニバル』を読んでいる

から始まって、『コズミック・ジョーカー』を読んだ、マンガ版JDCも読んだ、とだんだん段位が上がっていきます。で、初段への条件が『トップランド1980あとがきのクイズが解けた』というもの。*7Gen9はどうにか初段になりたくて直前まで格闘していたんですが、ついにわからず一級のままでサイン会に臨む事にしました。ふふふ…(泣)。福岡のときはこれを書いてもらうのをすっかり忘れてて、かなり悔しい思いをしたので、今回はきちんと書いてもらいました。*8
さて、今回は本だけでなく、サイン会に参加するための証である『特製参加証しおり』にもサインしてもらえます。何を書いてもらうか全然決めてなくて、とっさに「あ、じゃあ『早く初段になれ!』って感じで;」とお願いすると「わかりました、じゃあそんな感じにしときますねー」と御大。
そして書いてもらったのがこれ。


次は初段ですね!! from清涼院流水

……。
御大、ありがとう…頑張ります!

21:30

そろそろ終わりが見えてきました。
が、まだまだサイン待ちの人はいます。しかし、会場側も明日の別のイベントのために準備をしなければならず、そのため展示品を片付け、撤収しながらぎりぎりまで粘ってサインを続けるという状況に。関係者の人たちも予想以上に時間がかかっていることを心配し、「もう3冊じゃなくて1冊だけサインしてもらっていく、というのは…」という相談が聞こえてきます。しかし、すべての参加者の人と平等に時間をとりながら御大はサインを続け、どうにか無事にサイン会は終了しました。
最後に流水師から挨拶。

流「実は皆さんに…ってマイク入ってないですね、これ。(会場、笑)……えっと、前のほうに来てもらっていいですか?(いっせいに集まってくる参加者の人たち)。…実は皆さんにお願いがあるんです。今回、1年通してどーもツアーを達成できたのは、この杉原さん*9のおかげなんです。杉原さんは毎月のように各地に飛んで、開催地を設定して、そのあとも何回も足を運んでサイン会の舞台を整えてくれて…。このどーもツアーに毎月来てた人って僕と杉原さんだけなんですよ。今回のどーもツアーの一番の功労者は彼なので、皆さん杉原さんに拍手をお願いします!」

司会を務めていた杉原さんにいっせいに拍手をする参加者。そしてその拍手を恥ずかしそうにしながら受ける杉原さん。その後、御大は杉原さんにどーもツアー最後のサイン本を差し上げていました。
そして、関係者の人から流水師、梅吉さんに花束が送られ、サイン会は無事に終了。
ホテルに帰る頃にはすでに10時を廻っていましたが、とても充実したサイン会でした。
清涼院流水師、講談社BOX編集部の方々、営業部の方々、販売部の方々、蓬田勝さん、その他関係者の皆様、本当にありがとうございました!!



◆2007年、12ヶ月連続刊行「大河ノベル」を成し遂げた清涼院流水が、その先に目ざすものは――?

参加者全員に配られたペーパー。
2008年の御大の執筆予定が記されています。
編集部の方曰く「オフレコではないと思います」とのことなのでその内容を公開したいと思います。
ただし、これはまだ予定・あくまで予定だそうです。ので、あまり鵜呑みにしないようにお願いします。

1月     新雑誌『パンドラ』(講談社)に短編と対談で登場
       『神とオセロ SF MYSTERY TALK MORE』(徳間書店
1月〜3月  進研ゼミ連載『人気者クイズ』第6回〜最終回
3月     『hon-nin』(太田出版)に日記連載第6回
春      『彩紋家事件』全3巻(講談社文庫)
夏      『コズミック・ゼロ 日本絶滅計画』(文藝春秋


さらに、「悶絶の新企画」も、複数待機中!JDC(日本探偵倶楽部)シリーズ最新作も始動!するかも。


『神とオセロ』は『SF Japan』誌に掲載された連作短編『エセFシリーズ』をまとめた短編集。短編は雑誌掲載7本+書き下ろし表題作1本の全8本。そして、作りこみすぎた感のある短編とバランスを取るために、連作ショートショートを6つ書き下ろし。全14編の作品が収められた一冊になるそうです。サブタイトルは、表題作以外SF古典名作からとっているそう。御大曰く「やや(?)異色」「現時点の清涼院流水に可能な、ベストの1冊」とのことです。ちなみに、ペーパーの裏面は、一面オセロ板をデザインにした『神とオセロ』の宣伝になっていました*10

『神』は、サイコロ遊びをしない。
賽(サイ)を振る前に結果がわかるから。
そんな全知全能の『神』と、オセロ勝負――
はたして、勝機を見出せるのか?

めちゃめちゃ面白そうな予感がします。


彩紋家事件』文庫版は「大幅にストーリーを変えるわけではありませんが、改良すべきところは改良して、装いも新たに刊行される」とのこと。ちなみに、この作品の構想を思いついたのは1994年、御大がハタチの時だったそうです。


『コズミック・ゼロ』は何年も前から『日本絶滅』というプロジェクト名で密かに構想していたという作品。文藝春秋の編集者の方が『コズミック』が本当に大好きで、「ぜひまた『コズミック』を!」と、誰よりも熱烈に『コズミック』っぽい作品をリクエストし続けてくれて、その熱意に動かされ執筆を決意したそうです。ちなみに『コズミック』っぽい作品ではあるけれど、『JDCシリーズ』ではないとのこと。でも、これは自分の勘ですが、『悪連』ぐらいは絡んできそうな気がします。あと『カーニバル・イヴ』内の『リアル短編 コズミック・ゼロ』と関連するのか気になるところです。



◆今回のサイン会で、BOX編集部の方々や文三編集長・蓬田勝さん、梅吉さんに聞いた話メモ。


BOX関係の話。
・やっぱり西尾さんは『真庭語』を12回書く気らしい。
・錦メガネさんは『パンドラ』と『ファウスト』で書いた後、過去の分とまとめてBOXにするらしい。
ECCOはまだ。
・梅吉さんはパンドラでマンガ形式の作品を発表。
・森見さんはパンドラでエッセイを書く。
浦賀さんの『獣シリーズ』はBOXで出すかどうかは決まってないらしい。
・第二回流水大賞作品は『パンドラSIDE-B』に!……間に合えば載せる。
・……ファウストは春頃かも。
・パンドラは箱入りではなく、通常の雑誌形態。デザインはBOXに似せる。サイズは、ファウストより少し大きめ*11
講談社BOXの海外進出は順調に行けば来年の夏スタート。まずは北米版ファウストを出版し、足がかりに。
流水大賞は今のところ小説作品がほとんどで、ノンフィクション・イラスト部門での受賞は今のところない。ノンフィクション部門は評論ではなく、年配の方による自伝の投稿が多いそうですw

編「さすがにそれは講談社BOXの目指すものとは違うので…ハネさせてもらってます」
G「というか、そういうのは『hon-nin』に送ったほうがいいですよね」


ノベルス関係の話。
・来月発売のメフィスト賞受賞作品『パラダイス・クローズド』はキャラが立っている。
・蓬田さん自身は時代物が好きなので、もうひとつの受賞作である『堀割で笑う女』も楽しんで読めたそう。「若い人はどうかな…?(by蓬田さん)」
・前回『ウルチモ・トルッコ』でメフィスト賞を受賞した深水さんは来年初頭に新作を発表予定。


マンガの話。
・梅吉さんは1月半ば、『モーニング』で何かやるらしい。「お楽しみに!(by梅吉さん)」


そのほかの話。
・編集部の方々は今まで一度も竹さんと対面したことがなく、誰もどんな人か知らない。もう5年のつきあいになる太田さんも、電話とメールで連絡するだけで実際にあったことはない。
講談社BOXの編集部員は太田さんの含め5人。レーベル創刊当初は3人しかいなかったらしい。
・『パーフェクト・ワールド』のキャラ『鍛冶活児』のモデルになったBOX編集者の鍛冶佑介さん。Book.11で明かされた彼の話はすべて真実。
・第二回流水大賞を受賞した泉和良さんはタッキーの弟分。

*1:たぶんゆず

*2:えっと……これ本当にサイン会?

*3:銀かもしれない

*4:しかし大変失礼ながら、内容を覚えていません。ごめんです梅吉さん

*5:ばくばく喰いました。恥ずかしい

*6:『19ボックス』どうでしょうか?とか

*7:ちなみに、初段以降は基準がどんどん難しくなり、免許皆伝ともいえる最高位の五段に到達するには『自分も自己流の大説を世に発表している』をクリアしなければなりません

*8:実際のサインは最初のほうに載せてます

*9:講談社書籍第三販売部の杉原幹乃介さん。今回のサイン会の司会を勤めておられました。人のよさそうな男の人でした

*10:これが表紙になるかも

*11:だったと思うたぶん…違ったらスイマセン