『バッカーノ! The Rolling Bootlegs』

1930年11月。
裏組織“カモッラ”の一員である少年はある大事な儀式を控えていた。
泥棒カップルはグラウンド・セントラル・ステーションに到着し、希望の街に賛歌を挙げていた。
マフィアの三兄弟はポーカーに興じつつ、目下のちょっとした問題に頭を悩ませていて。
チンピラ少年は仲間たちと思いどおりにならない現実にむかついていた。
……そして、錬金術師の野望は200年が経った今なお、成就されてはいなかった。
それぞれに干渉するはずのなかった彼ら。
だが、マンハッタンに伝説の“不死の酒”が蘇るとき、彼らは運命の螺旋階段に組み込まれる。
役者は揃った。禁酒法時代のニューヨークを舞台に壮大な馬鹿騒ぎが幕をあける―!


うわなんだコレメチャメチャおもしれぇ!
…あー。
なんでもっと早く読まなかったんだろう。すごく後悔。
気になってたんだからさっさと手にとっておけば良かったのに。
それにしても。
とにかく構成が逸脱。
全く関係のない男女たちが、少しずつお互いに影響を及ぼし始め、ラストシーンには勢ぞろい。文章でも十分面白かったけど、映像にしたらすごく生きそうだと思った。*1
そして読後感が最高に気持ちいい。
まったくわだかまりの残ることなく、こんなに気持ちよく読み終えられた小説ってひっさびさ
「これ」をテーマにしてる小説ってどうしても暗くなったり、絶望的な物語になることが多い。けど、それをまったく別ベクトルのすごく陽気なエンターティメントにしているのは単純にすごいと思う。
しかも、シリアスとコメディの語り口の切り替えが絶妙。
電撃大賞とれたのもうなずける。
よし、シリーズ揃えよう。ファンになってしまおう。
今年の冬は「バッカーノ!」に、ハマりまくりたいと思います。
それにしても、アイザック&ミリアいいなぁ。好きすぎる。
また出てくるかなぁ。出てくるよな?

*1:……あ、だから今アニメやってるのか。