「『のべれびゅ〜』ってなんぞや」の巻
のべれびゅ〜。Gen9の造語。読んだ本の紹介にもなる、番外編的な短編を創作すること。また、創作したもの。
時々、思いついたように書いてると思います。よかったら見てみてね。
LLLの○劇。
舞阪ユカリは弾力のあるダブルベットの上で、目覚めた。
よくよく見ると、彼女の胸の中では、つい2,3時間前にできたばかりの「新しい恋人」が静かな寝息を立てて眠りこけている。
ユカリは恋人を起こさないようにベッドから出るとガウンをはおる。それから、冷蔵庫の中から適当に飲み物を出し、のどを潤した。
ようやく、一息つけた気がした。
カーテンから漏れる薄い街明かりだけの光源しかないホテルの室内。ユカリはロッキングチェアに一人座り、くるくるとコップの中の氷を回しながら物思いにふけっていた。
それにしても。
と、彼女は思う。
あんな恐ろしい出来事が、つい2,3時間前のことだなんて!ユカリは全身に鳥肌が立つのを感じた。
恋人お見合いパーティと称して集められた、10人の男女。
秘密の恋人を探すための知る人ぞ知る秘密クラブ「Secret Lovers」が企画した、蜜に充ちた甘い一日となるはずだった。
けれど、それは違った。
ミツを逆さまに読んで、「ツミ」……罪と罰に充ちた恐ろしい一日だった。
事前に用意された、誰かもわからない恋人候補を選んで、間違っていたら即、殺されるなんて!
死ぬほど愛する…なんて陳腐なくどき文句をユカリは思い出したが、それに倣っているといったって、冗談が過ぎると思った。
ユカリはこれでも、恋愛経験は多いほうだ…みんながお互いの恋人候補を模索する中、たぶんこの人はあの人とくっつくだろう…とある程度の予想を立ててはいた。
しかし、その予想の中で的中したのは皆無だった。
ほかの参加者も大体似たようなものだっただろう…そう思うと、自分が今この場で生きていて、新しい恋人ともに時間をすごせるのは、奇跡に次ぐ奇跡が重なって、実現されているように思えた。もし仮に、5人のうち誰か別の人を選んでいたら…自分はこの場にはいなかっただろう。あの密室空間で、一瞬で殺されていたはずだ。
確率は5分の1。
しかも、舞阪だけではない。他の人間もみんな助かっている!これほどうまくいくなんて、ドッキリとしか思えない。けれど…あれは現実だった。あの恐ろしさは決して作り物ではない。
そして、恐怖は今日だけでは決して終わらない。
これからも、舞阪の中では恐怖が頭をもたげていた。
この恐怖がこれからずっと続くと思うと、絶望で身体が押しつぶされそうだった。
パッ、と。
ベッド脇の机のパソコンが、何もしていないのに起動した。
起動音にびくっと反射した舞阪だったが…、恐る恐るパソコンに近づいていく。
黒画面の中に一つの文章が浮かび上がった。
それを見て舞阪は鋭い悲鳴をあげた。
急いで恋人のまどろむベッドの中に飛び込む舞阪。
恋人は「ん?何、どうしたの」と、目覚めてスグの倦怠感に捕らわれているようだった。
舞阪ははげしく身体を震わせながら、恋人の胸から身体を離そうとしなかった…。
We need Love. 私たちには愛が必要です。
Last Love Logic The end...?
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